日本のお正月料理として古くから伝わる「おせち」。おせち料理には一つひとつ意味があるのをご存じですか?家族や親せきが集まっておせちを食べる家庭も多いでしょう。そんな時にちょっと役立つおせちの知識。子どもに聞かれたときにわかりやすく説明できるように、おせちの由来や意味をご紹介します!
目次
おせち料理とは?その歴史は?

おせち料理とは?
「おせち」とは元々暦上の節句を意味し、季節の変わり目に祝い事を行う「節(せち)」の日に食べる料理の事です。
おせちの歴史は?
おせちは弥生時代に中国から日本に伝わったといわれています。中国では1年を24に分けて、節句として節々の変わり目を祝っていました。
平安時代の朝廷は、正月を含む5つの節に「五節会(ごせちえ)」の儀式を行い、特別な料理である「御節供(おせちく)」を神に供えていました。3月3日などの日本の文化と関わる5つの節の日「五節供(ごせちく・ごせっく)」の行事が導入されます。江戸時代に入り、幕府が「節句(せっく)」の名称で公式な祝日として定めると、庶民の生活にも浸透しました。
その後、御節供は最も大切な正月の料理を指し、「おせち」と呼ばれるようになりました。おせち料理は、正月から7日または15日の「松の内(まつのうち)」までの来客に出すため、もてなし自体を「おせち」や「おせち振る舞い」という場合もあります。
おせちを食べる理由は?
おせちは神様をおもてなしするための意味もあります。そのおせちを食べる理由としては以下などがあります。
・神様にお供えするものを一緒に食べることで御利益にあずかる
・神様を迎える際にバタバタしない
・お正月に台所(火)を使わない
おせち料理はどのように分類されるのか?
おせち料理は日本の懐石料理と同じくコース料理のようになっており、大きく分けて、「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の5種類に分けられます。
おせち料理は重箱に詰めるのが一般的ですが、これにも幸せを重ねるという意味が込められています。現在では二段や三段が主流ですが、五段の場合もあります。正式な段数は与段となります。これは完全な数を表す「三」の上にもう一段重ねた数です。上から「一の重」「二の重」「三の重」「与の重(四は死を連想させて縁起が良くないとされるため)」と呼び、何番目のお重に何を詰めるかが決まっています。
| お重 | 分類 | 内容 |
| 一の重 | 祝い肴・口取り(酒の肴) | かまぼこ・栗きんとん・伊達巻き・田作り・黒豆・数の子など |
| 二の重 | 焼き物 | 鯛・鰤などの焼き魚・海老などの海の幸 |
| 三の重 | 酢の物 | 紅白なますなど |
| 与の重 | 煮物 | 里芋・クワイ・蓮根・人参などの煮物 |
おせち料理の種類や意味は?
おせち料理の内容には、地域などによっても異なりますが、20~30種類あると言われています。その代表的なものと意味を見ていきましょう。
黒豆

豆は、健康や丈夫という意味を表す語句でした。黒い色は邪気払いの意味と、黒豆は「黒く日焼けするほどまめまめしく働くように」という願いが込められています。
数の子

数の子はニシンの卵で「二親(ニシン)から大勢の子どもが出る」という言葉をかけて子孫繁栄を願っています。「春告魚」と書くニシンは縁起がよい魚とされ、さまざまな祝いの席にも出されます。
田作り

片口イワシの稚魚を干して飴炊きにしたもの。片口イワシを農作物の肥料として使った田畑が豊作になったことから「五穀豊穣」を願っています。「五万米」の字を当てて「ごまめ」とも言われます。
たたきごぼう

根を深く張るごぼうは、「家族や家業が土地に根づいて代々続くという意味」を持ち、「細く長く幸せが続くことを祈願する食材」です。薬効成分から健康を願い、ごぼうをたたく動作が開運に通じるといわれます。また、ごぼうは豊作の年に飛来する「黒い瑞鳥(ずいちょう)」に似ているという説もあり、豊作の象徴とされています。
(瑞鳥・・・よいできごとの前に現れる縁起がよい鳥)
かまぼこ

かまぼこは日の出を象徴する色と形です。かまぼこの赤色は喜びやめでたさ、白色は神聖な意味があります。飾り切りで鶴や松などの縁起物をかたどることもあります。
伊達巻き

江戸時代に長崎の「カステラかまぼこ」がしゃれた人を意味する伊達者の身に付けていた着物のようだったので、伊達巻と言われるようになりました。「形が巻物に似ているため、知識が増えるように」との願いが込められている。
栗きんとん

きんとんの名は中国のまんじゅうの「餛飩(こんとん・こんどん)」に由来し、後に「金団」の文字を当てたといわれます。鮮やかな色が小判や金塊に似ているため、金運の上昇を願っています。また、栗を臼(うす)でついて皮をむく作業を「搗つ(かつ)」ということから、栗は「勝ち栗」と呼ばれ勝負に強い縁起物とされています。
昆布巻き

「こぶ」は「喜ぶ」と関連づけ、「広布(ひろめ)」とも呼ばれ、「広める」につながる縁起物として使用されます。北海道の特産の昆布は「夷布(えびすめ)」の名もあり、七福神の「恵比寿様」を連想して「福を授かる」という意味も含まれています。
「こぶ」に「子生」の当て字をして子孫繁栄も祈願します。中に「二親」と書くニシンを巻いて両親の長寿も願います。
紅白なます

なますは生の魚と人参と大根を酢で和えた料理だったので、なますと名前が付けられました。水引きのような形状で祝いの意味と口直しとしての役割もあります。
鰤の照り焼き

鰤は「出世魚」とされ、成長と共に名前が変わる魚のため、立身出世を願う縁起物とされています。
海老

海老は、長い髭や腰が曲がっている様子から「腰が曲がるほど長生きをする」という長寿祈願が込められています。目が出ている様子が「めでたい」、脱皮を繰り返すことが「生まれ変わり」を表します。
鯛

鯛は、恵比寿様が持っている魚ということから七福神信仰とも繋がっており、「めでたい」と縁起の良い魚です。赤色で姿形も美しいことから、祝い事に使われています。
ハマグリ

ひな祭りでも定番として食べられる蛤は、貝同士がぴったりくっつくものは一つしかないことから、良縁を表しています。
筑前煮

穴にちなんで将来の見通しがきくとされる「蓮根」や、小芋をたくさんつけることから子孫繁栄の縁起物とされる「里芋」の他、土の中で根を張る根菜を用い、末永い幸せを祈願する意味があります。
酢蓮(酢れんこん)

れんこんは穴が空いており先を見通せることから、新年の初めに食べることで見通しの良い未来という願いが込められています。
手綱こんにゃく

手綱こんにゃくは、左右の端を中央にねじった煮物料理です。手綱を締めることで心を引き締めるという意味があり、結び目は良縁や夫婦円満を表します。
くわい

くわいは、突き出た芽から「芽出たい(めでたい)」と縁起の良いことを表し、くわいの芽が空に向かって伸びることから、立身出世の願いが込められています。角形や八角形にすることで万年生きるとされる亀を表し、長寿も祈願されています。
チョロギ

シソ科のチョロギは、地下に伸びた「塊茎(かいけい)」の部分をゆでた後、梅酢に浸して着色します。チョロギは「長老喜」や「長老木」「千代呂木」「千世呂木」などの字を当て、黒豆に添えてマメに働き、健康で長生きすることを祈願します。
お多福豆(おたふくまめ)

ソラマメの仲間であるお多福豆の呼び名は、大きくふっくらとした「お多福(おかめ)」の面に似ていることに由来します。お多福豆はたくさんの福を運ぶ縁起物とされています。
タコ

関東から北では酢ダコ、関西から南ではうま煮にするのが一般的です。タコは火を通すと体が赤く吸盤が白く変わり、見た目が紅白になるため、縁起がよい食材として使われます。また、「多幸」の字を当て墨を出して逃げる様子を「苦難や困難を煙(けむ)に巻く」に関連づけて縁起を担ぎます。
ゆり根

球根の周りに重なる「鱗片(りんぺん)」の見た目から、歳を重ねることや仲のよさ、子宝をイメージして子孫繁栄を願います。また、ゆり根は漢方薬に使用されるため、「無病息災(むびょうそくさい)」の意味もあります。
金柑(キンカン)

「金冠」に通じ、財宝を意味し、金運を願ったものです。
里芋

里芋(八つ頭)は、ほろっとやさしくほぐれる食感が魅力的な煮物にぴったりな食材です。里芋は掘り起こしたときに小芋をたくさん連れて出てくることから「子宝に恵まれますように」「子孫が繁栄しますように」といった意味が込められています。
子供と一緒に楽しめるおせちのおすすめ本

こどものとも年中向き 2014年 01月号 [雑誌]
こどものとも 「おせち」
子供たちとおせちを一つひとつ確認しながら、やさしいテンポで読める絵本です。

おせちいっかのおしょうがつ
「おせちいっかのお正月」
おせちの由来を楽しく読みながら学べるおせちの絵本。新年にふさわしい、小さなお子さんにぴったりの一冊。

おせちさんはーい!
「おせちさん はーい!」
たのしいおせちのキャラクターと共に日本文化や行事の楽しさを学べる絵本です。カラーコピーをするとオリジナルおせちが作れる仕掛けも楽しいですよ!
おせちの意味や由来をわかりやすく まとめ
最近では洋風なおせちや中華風など若い世代にも親しみやすいおせちも増えています。お正月のおめでたい気持ちを盛り上げる華やかなおせちの意味を一つひとつ知っておくと、その願いや気持ちを感じながらおせちへの楽しみがまた増していきます。
親せきや家族が集まることの多いお正月に、おせちの意味や由来を子どもたちに伝えながら楽しんでくださいね。

