読書感想文ってどうやって書けばいいの?
どんな本が読書感想文が書きやすいの?
こんな悩みをお持ちではないですか?夏休みなど読書感想文が宿題に出ることも多いでしょう。「中学生になると、小学生よりもちょっとレベルアップした本を読まないといけない?」「どんな風に書けばいいのかわからない」という人に、読書感想文の書き方やおすすめの本を紹介します!
目次
中学生の読書感想文の書き方 うまく書くポイントをチェック!
いつも読書感想文が上手く書けなくて困ってる
という中学生は多いのではないでしょうか。読書感想文には上手く書くコツがありますので、しっかりとポイントを掴めばサラサラと書けますよ。それでは、うまく書くコツを見ていきましょう!
読書感想文は「本選び」で決まる!
読書感想文のほとんどは「本選び」で決まると言っても言い過ぎではありません。「興味がないけど読書感想文のために仕方なく読んでる」という人も多いのではないでしょうか。興味がない・関心がないという状況では本の内容が頭に入ってきませんし、それに対する感想文を書くのも大変になってしまいます。
「自分の好きなジャンル」「興味関心が持てるジャンル」「お友達が面白いと言っていた本」など関心が持ちやすい本を選びましょう。中学生になったからと言って無理に難しい本を読む必要はなく、自分の興味を惹くような本を選ぶことが重要です。
・自分が興味があるものがテーマになっている本(恋愛・スポーツ・科学・家族 など)
・友達が面白いと言っていた本・流行っている本(対象年齢・関心が合っている)
しるしをつけたりメモを取りながら読もう
本を読み終わって、実際に読書感想文を書くときに、「何を書こうか」「あの面白いセリフどこに書いてあったっけ?」など後からまた読み返したり探したり作業も大変です。
読みながら、「ここ面白いな」「ここは内容の重要なとこだな」という場所に付箋を貼ったり、内容をメモしたりしながら読み進めましょう。そうすることで、後から読み返しやすいのももちろんですが、自分の中でも大切な点が整理しやすくなります。
・面白いセリフ・場面
・登場人物の成長が感じられる場面
・強く印象に残った場面
・自分が共感できたところ・共感できなかったところ
メモは箇条書きで簡単に書きましょう。
気になったところをどんどんメモしていくことで、自分の興味や関心が整理されていきます。順番は気にせずどんどん書きましょう。
読書感想文を書く前に構想メモを作る
読書感想文は「原稿用紙〇枚」など制限がある場合があるため、いきなり書くのではなくまずは構想メモを作りましょう。いきなり書くと、後から書くことが無くなったり、ダラダラと読みにくい文章になったりとまとめるのが難しくなってしまいます。「構想メモなんて面倒」と思うかもしれませんが、結局は近道になりますのでぜひ書いてみてください。
【構想メモに書く内容】
本に関する情報 | ・本のあらすじ ・本を選んだ理由 |
・内容に関する情報 | ・心を動かされた場面 ・好きな(嫌いな)登場人物・その理由 ・心を動かされた内容 |
・掘り下げる内容 | ・もし自分だったらどう行動したか・どう感じたか ・筆者の言いたいことは何か |
・本を読み終わった後に感じたこと | ・読む前の印象と読んだ後の印象の変化 ・読んでみて感じたこと ・読んでみて自分の意見が変化したかどうか |
構想メモを基に読書感想文を書いてみよう
構想メモができたら、実際に読書感想文を書いていきましょう。
読書感想文には「こういう風に書く!」というテンプレートがあるので、苦手な人はそのテンプレートに当てはめながら書いていきましょう。
【読書感想文の構成テンプレート】
各段落 | 内容 | 全体のうちの割合 |
はじめ(序論) | ・本を選んだ理由 ・本のあらすじ | 10% |
なか(本論) | ・心を動かされた場面 ・好きな(嫌いな)登場人物・その理由 ・心を動かされた内容 ・もし自分だったらどう行動したか・どう感じたか ・筆者の言いたいことは何か ・読む前の印象と読んだ後の印象の変化 | 70~80% |
まとめ(結論) | ・読んでみた後の自分の意見や感想 ・これからどう生かしていくか | 10% |
・あらすじをダラダラ書かない(この本を知らない人に「こんな本だよ」とお知らせするくらいの気持ちで)
・いくら心を動かされたからと言って感情的になりすぎないように注意(他の人が読んだときに伝わるか?嫌な気持ちにならないか?を考えながら書く)
・書いたら必ず読み返して誤字脱字や文章のおかしい所をチェックしよう。
しっかりとメモを取ることで、読書感想文が書きやすくなります。「なんで?どうして?」と疑問に思ったことなどをどんどんメモして、本当に書きたいことを整理していきましょう。
中学生の読書感想文におすすめの本
それでは、中学生が読書感想文を書くときにおすすめな本を紹介します!
セカイを科学せよ!
著 安田夏菜
出版社 講談社
転校生の葉奈は、ふわふわのカーリーヘアにコーヒー色の肌、ぽってりとした唇の女の子。黒人とハーフというけれど、日本生まれの日本育ちで英語力は人並み、ダンスが上手なわけでも特別な身体能力を持つわけでもない子です。
そんな葉奈が、科学部に入部し、たった一人、学校で昆虫を飼育し始めることに。科学部のロシア系のハーフである科学部のミハイルは、目立たないように過ごす術を身につけたこじらせ系。葉奈の自由奔放な行動が気になって仕方ありません。ミハイルの心配をよそに、様々な虫を学校に持ち込んでは、虫嫌いな女子達とトラブルを起こす葉奈。それでも歯に衣着せぬ話しぶりと裏表のない真っ直ぐな性格に、周囲の人は少しずつ葉奈に馴染んでいきます。
見た目の違いや差別などをテーマに、クラスメイトの反応の変化などをわかりやすく描いています。
暗い内容ではなく、明るく軽快なテンポやキャラがしっかりした魅力的な登場人物たちの成長を感じられる一冊です。テーマがわかりやすいので読書感想文が書きやすいお話です。
見た目の違い・差別などをテーマにした本。本人の気持ちやクラスメイトの気持ち、登場人物がどのように成長したかに注目!
セカイを科学せよ! (文学の扉)
モモ 時間どろぼうと盗まれた時間を人間に返してくれた女の子のふしぎな物語
作 ミヒャエルエンデ
訳 大島かおり
出版社 岩波書店
赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人間が平等に持っている24時間。自分の時間を自由に使えるのは当たり前? でも、もし、あなたの時間が、知らないあいだに盗まれていたとしたら……?
どこからともなくやって来て、町の円形劇場の廃墟に住みついたモモ。みすぼらしい服装に、ぼさぼさの巻き毛をした小さな女の子モモは、豊かな想像力と、特別な力を持っていました。モモに話を聞いてもらうと、ふしぎなことに悩みがたちどころに解決してしまうのです。気づかないうちに時間が盗まれていたら?異変に気付いたモモと灰色の男たちとの攻防戦!
ドキドキハラハラの息もつかせぬストーリーの面白さは秀逸です。頭の中で物語の世界観を映像にイメージしながら読んでみましょう。
どんな世界?モモはどんな女の子?みんなに当たり前にある「時間」が知らないうちに盗まれてしまったら自分ならどうする?
モモ (岩波少年文庫)
#マイネームハッシュタグ・マイネーム
作 黒川裕子
出版社 さ・え・ら書房
「とりあえず、さけぼうか。あたしの本当の名前」海とキャベツの町、千葉県銚子市にくらす中学一年生の明音(みおん)は、両親の離婚によって名字が変わったばかり。入学した杜中(モリチュー)では“さんづけ”運動がはじまり、新しい名字が強調されることに。もう最悪だ。そんなとき、SNSで、地元中学生限定のスレッド【自分の名前がきらいなやつ集まれ #マイネーム 】に出会う。スレッド主のビオが、“さんづけ”運動に反対して、自分の呼ばれたい名前の名札をつけようと呼びかけると、名前にそれぞれの不満を抱える明音たち一年生は熱狂した。
そして、「杜中名札事件」がぼっ発する。仲たがい、裏切り、大人たちの反撃………
事件は思いもよらぬ展開に発展します。友達をなんて呼ぶか?なんて呼ばれたいか?名前に対する想いは様々です。主人公がどう考え、何を思い、どう成長していくのか?印象的な表紙と、現代の問題を切り取ったストーリーです。
現代のSNSを通じて中学生が何を考え、どう思っているのか?不満や葛藤にどう立ち向かっていくのかに注目!
#マイネーム
赤い糸でむすばれた姉妹
著 キャロルアントワネット・ピーコック
絵 野田あい
訳 日当 陽子
出版社 フレーベル館
主人公は11歳の中国人の少女、ウェン。幼少期に親に捨てられた彼女は、養護施設で育つ。寂しい生活の中での唯一の支えは親友のシューリンだった。ウェンがアメリカ人夫婦の養子になることが決まったとき、ウェンは喜ぶが、同時にシューリンのことを心配する。シューリンはウェンよりひとつ年上で、片足が不自由な為か、養子縁組の話がないのだった。「わたしがシューリンの家族をアメリカで見つけるからね!」とシューリンに言って別れ、アメリカに渡ったウェン。新しい服、十分な食べ物、学校へ通うこと、誰かの娘になること。すべてが待ち望んでいたことのはずなのに、ウェンはなかなか新しい環境に慣れることができず、新しい母の愛を素直に受け入れることもできない。
「シスターフッド」という、血が繋がっていないけれど深い絆で繋がっている関係の二人。アメリカでの恵まれた暮らしと、中国の養護施設での厳しい生活の対比や、新しい家族の想いなど様々な環境や人が関わり、どうつながっていくのか。
こまやかな描写によって丁寧に描かれている心の変化や葛藤に着目して読みましょう。
環境の変化や、2人の関係の変化、新しい環境の中で変わっていくものと変わらないもの。それによって何を感じたのかを考えながら読んでみよう!
赤い糸でむすばれた姉妹 (フレーベル館文学の森)
中学生におすすめの読書感想文の本・書き方のコツ まとめ
世界が抱えている社会問題や、思春期の気持ちの変化など、名作から現代の最新小説まで幅広いラインナップでご紹介しました。
どれも丁寧な描写でわかりやすく、中学生の読書感想文におすすめです。
しっかりと読書感想文の書き方のコツを抑えながら感じたことや気持ちを大切にしましょう。