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スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは?どんな高校?取り組みや受験対策を徹底解説!

中学生の学習

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)という制度をご存じでしょうか?

「どんな取り組みをしているの?」

「将来どんな役に立つの?」

気になる内容をチェックしましょう!

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは?

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは、2002年に始まった文部科学省の制度です。高校において、先進的な理数教育の実施を推進し、文部科学省によってSSHの指定を受けた学校には科学技術振興機構(JST)より活動推進に必要な支援がされています。つまり、未来の科学技術のエキスパートを育てる取り組みです。

近年ではSTEAM教育など、未来の科学技術の発展に向けた教育や取り組みが行われていますが、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は高校でさらに専門的で先進的な指導を行っています。

STEAM教育についてはコチラ→STEAM教育で世界が広がる!その内容と家庭でできることをご紹介!

科学技術振興機構では、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)では、次のようなことを行うとあります。

・先進的な理数教育の実施

・大学との共同研究

・国際性を育むための取り組み

・創造性・独創性を高める指導・教材の開発など

参考:科学技術振興機構

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けるには?

文部科学省は毎年将来の国際的な科学技術人材の育成を図るために、SSHの指定校を審査し決定しています。1校のSSH指定期間は5年間とし、毎年30校ほどが新たに指定されています。

*基礎枠 55校が内定

・開発型・実践型 46校

開発型:新規性のある教育課程等の研究開発を実施するもの(指定期間5年)

実践型:今までに開発してきた教育課程等の実践的な研究開発を実施するもの

・先導的改革型 6校

先導的改革型:科学技術人材育成におけるシステム上の課題を自ら設定し、当該課題に挑戦する意欲的な研究開発を実施するもの 過去4回の指定実績が必要(指定期間3年)

・認定枠 3校

認定枠:科学技術人材育成の全国的なモデルとしてこれまでの研究開発の成果を基にした多様な実践活動を展開・普及するもの(指定期間5年)

*科学技術人材育成重点枠 4校

基礎枠の取組に加え、科学技術人材の育成に係る更なる取組を行う場合、追加的な支援を行うもの(指定期間最長5年)

令和5年度のSSH指定校内定の内容 文部科学省HPより

このように、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定には基礎枠科学技術人材育成重点枠に分かれ、それぞれの取り組みによって審査され認定されます。SSHの指定校となるには、高等学校・中高一貫教育校は、文部科学省に設置機関経由にて、応募し採択される必要があるのです。これまでSSHに認定されてきた高校は200校を超え、各都道府県に4~5校前後ある計算になります。

それでは、基礎枠科学技術人材育成重点枠での認定ではそれぞれどのような取り組みがされているのでしょうか。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)基礎枠とは

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校の基礎枠の中には、大きく分けて「開発・実践型」「先導的改革型」の2種類があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

開発・実践型

基礎枠の中の開発・実践型は最も基本的なものです。

開発型のSSH指定校では、教育課程の新規研究開発を行っており、具体的な実践や研究よりも新規のカリキュラムをに沿って学習することで理数系の高い知識や能力を身につけることが目的となっています。初めてSSHに選出された高校は、開発型という指定になります。

実践型のSSH指定校は、開発型で開発された教育課程を用いて、より実践的な研究開発を実施していきます。実践型に指定される条件は、5年間開発型のSSHとして指定されてきた実績が必要です。

開発型・実践型共に、新しい理数系教育課程を基に、未来の科学技術分野の人材育成に特化しています。

先導的改革型

先導的改革型のSSH指定校は過去4回以上SSHに選ばれた実績が必要となります。学校が自ら科学技術人材育成における課題を見つけ、その課題に取り組みます。課題の解決と共に先進的な教育課程で科学技術人材育成を行う役割を担います。

開発・実践型よりも、より高度な教育課程が求められ、他の学校に先駆けて科学技術人材育成を行うことが求められます。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH) 科学技術人材育成重点枠とは

基礎枠とは別に設定されている科学技術人材育成重点枠とはどのようなものでしょうか。

科学技術人材育成重点枠

科学技術人材育成重点枠とは基礎枠の取り組みを行った上で、さらに高度な取り組みを行うことを求められます。学校内だけでなく、自治体や大学、研究機関、海外などグローバルに科学技術人材を育成する内容になっています。

・高大接続による一貫した理数系トップレベルの人材育成プログラムの開発・実証

・広域連携

・海外連携

・地球規模問題に関わる社会との共創


スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は実際にどんなことをやっている?

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校は科学技術振興機構のHPで確認できます。

国立研究開発法人 科学技術振興機構→SSH指定校一覧

実際にSSHの指定校が行っている取り組みを例を挙げてみてみましょう。

群馬県立桐生高等学校

理数科生徒や科学系部活動の生徒を中心に、全校生徒を対象にSSHの諸活動に取り組む。『自己調整力を持ち,社会の変化に対応できる探究力を備えた科学技術人材の育成』を研究開発課題とし、社会変化に対応できる探究力を備えた科学技術人材を育成するため次の研究開発を行う。

【取り組み例】筑波研修を行い筑波大学、高エネルギー加速器研究機構または国際農林水産業研究センターにて学生との懇談会や大学生活の具体的な様子を見学、研究機構・研究センターでは研究者の研究内容についての説明を受けるなど実際に見る・聞くことで関心を育てる。

群馬県立桐生高等学校HP

神奈川県立平塚江南高等学校

令和2年度よりSSHの認定を受ける。『多様な他者と協働して新たな価値を創出し、社会に貢献する科学的探究者の育成』を研究テーマとし、理数系教科・科目を重視した文系・理系の類型によらない教育課程の実施や、課題研究を中心とした学校設定教科『共創・探究』の設置、研究に係る海外との交流及び海外研修プログラムなどを行う。

【取り組み例】台湾海外研修を行うための事前学習として、現地の学校の生徒とのオンラインでの顔合わせや、横須賀海軍基地内にある学校にて英語での学習に取り組む。夏期講習の一環で環境科学センターから講師を招き講義や実習を行う。

神奈川県立平塚江南高等学校HP

京都府立洛北高等学校

令和4年度から「先導的改革型」の指定を受ける。『探究し続ける科学技術フロントランナーを育成する中高一貫教育プログラムのデザインと一般化』を研究課題とし、次世代の科学技術分野をけん引する人材育成プログラムの開発を行う。

【取り組み例】京都工芸繊維大学や筑波大学生命環境科学研究科、総合地球環境学研究所などから専門家を招き、専門的な講義を受講。サイエンスツアーなど実際に見て体験できる授業を行う。

京都府立洛北高等学校HP

鳥取県立米子東高等学校

平成29年度よりSSHに指定。『STIでより良い社会を目指すチャレンジャーを育成する持続的教育プログラムの開発』を研究課題とし、科学探求力、貢献意識、挑戦力からなる社会貢献力を身につけ、よりよい社会を目指すチャレンジャーの育成を行っている。

【取り組み例】数学コンテストや物理実験、国際生物学オリンピック日本委員会の派遣講師による特別講座・実験などよりレベルの高い教育課程を実施。

鳥取県立米子東高等学校HP


スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の成果

スーパーサイエンスハイスクールではどのような成果を上げてきたのでしょうか。内容を見ていきましょう。

高度な課題研究

令和5年度は神戸で生徒研究発表会が行われました。生徒研究発表会ではSSH指定校および過去に指定経験のある学校のうち参加希望校の生徒がポスター発表を行い、審査・代表校を決定します。代表校に選出された学校の生徒が全体発表を実施し、表彰されます。その内容についてはYouTubeにて動画配信もされています。課題研究において主体的・協働的に学習や研究を実施します。

科学技術振興機構HP→スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会

【平成30年度の生徒研究発表テーマ】

鹿児島県立国分高等学校「幸屋火砕流の影響から7300年立ち直れていない?~大隅諸島のエンマコガネと幸屋火砕流の関係~」が文部科学大臣賞受賞

福島県立福島高等学校「プラズマによる流体制御の研究」が国立研究開発法人科学技術振興賞受賞など

海外連携

海外20ヵ国・地域から高校生が集まる「Japan Super Science Fair」を開催。国境や文化を超えたグループで研究発表や食糧問題に関するアクティビティに取り組む。


広域共同研究

福島県立福島高等学校が第30回CASTICに日本代表として参加。海外の線量調査を実施し、結果を国内はじめ、フランス、イタリアの発表会で紹介しました。論文は英国物理学会発行の論文誌に掲載され、国や地域を越えた社会への貢献を行ってます。

研究成果の発表など

学校ごとに研究成果の発表を行っています。対象は教育関係者だけでなく、中高生など広く募集し、公開授業などを通してSSHの取り組みを発表する場を設けています。

科学技術振興機構HP→発表会一覧

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は大学入試に有利?

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)で取り組んだ研究などは実績となり、研究発表会で入賞するなどの成果を残すと国立大学や難関大学での推薦入試でも有利になります。大学によっては、「授業で実施した課題研究や科学に関する課外活動において顕著な実績を上げた者」という推薦要件を掲げている大学もあり、SSHでの取り組みが有利に働くことがわかります。

大学入試でアピールするために、研究内容だけでなく、研究に関する工夫や学内以外での交流、苦労した点など研究によって学んだことも記録しておきましょう。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定の学校はどんな所?

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は学校が応募し、文部科学省にて採択され指定されます。特に各県の高偏差値高校が多く、高いレベルでの教育課程を受けることができます。学校によっても取り組みが異なりますが、理数科だけでなく、全校で取り組んでいる学校が多く、文理の枠にとらわれずに、広い視野で研究を行うことができます。

海外との連携も積極的に行い、科学に関する授業を英語で行ったり、海外研修を行ったりするなど将来グローバルな舞台で活躍できる人材育成に力を入れている学校が多くあります。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)まとめ

様々な魅力的な取り組みが行われているスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校。理数系に進みたいと考えている方はぜひ近くのSSH指定校を調べてみましょう。

高いレベルでの研究・実験や、国際的に活躍できる人材育成に特化したSSHの指定校なら、同じことに興味のある友人と共に高め合える環境があります。これから受験を考えている人は、選択肢の一つとして考えてみてはいかがですか?



プロフィール
この記事を書いた人
any

自身も子育て中の中学生と小学生のママ。子どもの家庭学習に寄り添い、教育・生活・医療・金融など様々なジャンルのWebページの制作に携わってきたアドバイザー&ライター。複数のブログやSNS運営に携わり、おすすめの本や子育てに関する耳寄りな情報を発信中!

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